不動産(建物・土地)に関する登記
登記するのはなぜ必要か?
大切な財産である土地や建物について、法務局という国家機関が管理する登記簿に記録をすれば、自分の権利を正々堂々と他人(第三者)に対して法律的に主張出来る、いわゆる対抗力を得ることができます。登記を早くしなければ、せっかく苦労して得た権利を奪われたり、失ってしまうこともあるのです。だからこそ、大事な土地や建物の権利をしっかり守り、次の世代へと引き継いでいくために登記は必要なのです。
どんな時に登記をする必要があるか?
建物を新築したとき | 所有権保存登記 |
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土地や建物を相続(遺産分割)したとき | 所有権移転登記 |
土地や建物を贈与・売買・交換・財産分与したとき | 所有権移転登記 |
金融機関の住宅ローンを利用するとき | 抵当権設定登記 |
住宅ローンを完済したとき | 抵当権抹消登記 |
住所(氏名)に変更があったとき | 登記名義人住所(氏名)変更登記 |
建物を新築したとき、未登記の建物を登記したいとき | 建物表題登記 |
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建物を取り壊したとき | 建物滅失登記 |
地目を農地から宅地にしたとき | 土地地目変更登記 |
1つの土地を測量して数個に分割したいとき | 土地分筆登記 |
数個の土地を1つにまとめたいとき | 土地合筆登記 |
相続登記
不動産の所有者となっている方が亡くなったとき、その権利を相続人が取得することになります。このような場合、下記の方法で不動産の名義変更手続きをすることになります。
1.遺言書がある場合
被相続人の意志を尊重して、遺言書の内容に従って相続人が遺産を引き継ぎます。遺言内容によっては、法律上相続人でない方に遺産を引き継がせる遺贈(いぞう)の場合もあります。なお、遺言書の形式が公正証書遺言以外の場合は家庭裁判所による検認手続が必要となります。
2.遺言書がない場合
遺産分割協議
相続人間で、話し合いをして誰がどの遺産を引き継ぐかを決めます。これを遺産分割協議といいます。依頼人とご相談の上、当事務所で遺産分割協議書を作成させていただきます。
法定相続
場合によっては単純に民法で定められた法定相続分通りに遺産を分配して引き継ぐというケースもあります。これを法定相続といいます。
3.遺産が債務超過の場合
相続人は、原則として被相続人の残した借金等のマイナスの遺産も被相続人に代わって背負っていかなければなりませんが、裁判所で相続放棄の手続きをすることにより、プラスの遺産も引き継げない代わり、マイナスの遺産も一切引き継がないという効果を得ることが出来ます。
会社の設立、役員変更の登記
会社や法人についての登記は登記義務が課せられています。また、会社の設立などは登記することによってその効力が生ずることになります。専門性の高い、これら各種法人登記に関する一切の手続きをお手伝いいたします。
株式会社設立には定款の作成・公証役場での認証、資本金の払込から役員の選任など様々な手続きが必要です。以下のような手続きをお考えの方はお気軽にご相談ください。
- 会社の設立
- 取締役、監査役などの役員が就任・再任・退任したときの変更
- 商号を変更したとき
- 本店を移転したとき、または支店を開設したとき
- 合併など企業再編をするとき、または解散や精算をするとき
農地を農地として売買・貸借するとき(農地法第3条)
1.農地法第3条の許可
農地等を農地として売買するときや貸し借りするときには、農業委員会または知事の許可(3条許可)を受けなければいけません。この許可を受けないで売買しても、名義変更の登記を行うことができず、トラブルの元となります。適切に許可を受け、登記を速やかに行う必要があります。
2.主な許可基準
次のような場合に該当する場合は許可することができません。
- 買主(借主)またはその世帯員等が権利取得後、耕作に供すべき農地の全てについて効率的に耕作すると認められない場合
- 農業生産法人以外の法人が権利取得する場合
- 買主(借主)またはその世帯員等が権利取得後、耕作に必要な農作業に常時従事すると認められない場合(※)
- 買主(借主)またはその世帯員等の取得後の農業経営面積が下限面積未満の場合(下限面積は各自治体によって異なります)
- 買主(借主)またはその世帯員等が行う取得後の耕作の内容が、周辺の地域における農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがある場合
- 当該土地を取得してから、3年間が経過していないもの
(※)解除条件付貸借の場合は該当しません。
農地を農地以外にするとき(農地法第4条・第5条)
1.農地転用とは
農地を住宅等の敷地、駐車場、資材置き場等農地以外の目的に土地利用を変更することです。また仮設事務所、土石採取、農地のかさ上げ等一時的に利用する場合も農地転用に該当します。農地転用するときはあらかじめ、届出もしくは許可を得る必要があります。
2.対象となる農地は?
土地登記簿上の地目が農地であれば耕作されていなくても対象となります。また、その土地が現に耕作の用に供されている限り、土地登記簿の地目が宅地、雑種地等であっても、農地であるとみなされます。ただし、宅地の一部を耕作している家庭菜園等は、耕作されていても農地ではありません。
市街化区域内と市街化調整区域内の農地転用
市街化区域内の場合
市街化区域内の場合は、農地転用の届出を行えば手続きが完了します。届出市役所の農業委員会へ提出します。
市街化調整区域の場合
市街化調整区域、および都市計画区域外の農地を転用する場合は、許可が必要になります。許可申請は、4haまでは知事の「許可」が必要と也、4haを超える場合は農林水産大臣の「許可」が必要となります。なお、この許可申請は、具体的な転用事業計画のない資産保有目的や投資目的での農地の取得は認められません。
4.農地法第4条と第5条について
第4条の場合とは
自分の土地を自己のために農地に転用する場合は農地法第4条による申請となります。申請者は農地の所有者(転用する者)自身となります。具体例としては自分の土地に自分の家を建てること、自分の土地に共同住宅を建築することなどがあります。
第5条の場合とは
農地を転用すると共に賃貸借、売買等の権利移動をする場合は農地法第5条による申請となります。申請者は農地を転用する人(買主・借主)と農地所有者(売主・貸主)との共同申請となります。具体例としては、自分の土地に息子の家を建てること、自分の土地を他の人に売買し、駐車場に転用する場合などがあります。
基準点測量
1.基準点を設置する測量を実施いたします。
土地の境界や道路や河川の整備をしていく測量をする際の基準となる点の位置を出す測量です。基準となる点の位置情報を共有することで、より公示性の高い測量が可能となり、自分の所有している土地の境界や隣地との境界を明確にできます。また、年月の経過や不動産を相続や売買で入手した際に境界が分からなくなったり、無くなってしまった場合でも復元性が高いのも特徴です。
境界確定測量
1.境界確定測量とは?
土地の境界をはっきりさせるための測量をいいます。法務局や関係する役所に保管されている資料(登記簿、地図・公図、地積測量図、道路台帳図、区画整理図等)、その土地及び周辺を調査・測量を実施し、境界点の位置に仮杭を設置し、関係役所や隣地所有者に現地に来ていただき、境界の確認・承諾をいただきます。承諾をいただいたら、境界にコンクリート杭や金属プレート等の永久標識を設置します。境界確定測量は、土地分筆登記や土地地積更正登記、用途廃止、払下げ手続き等の前提となります。